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卵子凍結はしたほうがいい?費用やメリット・デメリットを徹底解説

INDEX 目次

卵子凍結は、将来の妊娠に備えて若いうちに卵子を保存できる技術です。ライフプランやキャリアを考える中で、選択肢の一つとして関心を持つ女性が増えています。

この記事では、卵子凍結の仕組みや適応、費用、メリット・デメリットなどについて解説します。卵子凍結に興味がある方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

卵子凍結では将来の妊娠に備えて若い卵子を保存できる

卵子凍結とは、将来の妊娠に備えて、採取した卵子を冷凍保存しておく方法です。卵子の数と質は、年齢とともに低下します。若いうちに卵子を凍結保存しておくことで、将来的に妊娠を希望する際に良好な状態の卵子を使って妊娠を目指せます。

卵子凍結には、大きく分けて「医学的適応」と「社会的適応」の2つがあります。医学的適応は、がんなどの治療により卵巣機能が低下する可能性がある場合に、治療を始める前に卵子を凍結しておくことです。治療後に妊娠の可能性を残すことが目的です。社会的適応は、キャリア形成やパートナーとの関係、ライフプランなどを踏まえ、現時点では妊娠を希望していないものの、将来的な妊娠の可能性を確保したい場合に行われます。

凍結した卵子は、将来妊娠を希望するタイミングで融解し、体外受精によって受精させた後、子宮内に戻して妊娠を試みます。

卵子凍結は将来的に妊娠を希望する40歳までの女性に推奨

卵子凍結は、現時点では妊娠を希望していないものの、将来的に妊娠を考えている女性が対象です。卵子は年齢とともに数が減少し、質も低下していくため、できるだけ若いうちに凍結保存を行うことが望ましいとされています。日本生殖医学会(JSRM)のガイドラインでは、採卵を行う年齢は満40歳まで、凍結した卵子を使用できる年齢は満45歳未満が推奨されています。

当院では、採卵は満43歳の誕生日までに周期に入った場合に実施可能です。凍結卵子の預かりと使用は、満48歳の誕生日までを上限としています。

出典:日本生殖医学会「社会的適応による未受精卵子あるいは卵巣組織の凍結・保存のガイドライン」(2013)
http://www.jsrm.or.jp/guideline-statem/guideline_2013_02.pdf

卵子凍結にかかる費用は30〜90万円

卵子凍結は自費診療のため、費用は医療機関によって異なります。当院では、下記のようなプランを設定しています。

治療内容

費用(税込)

1年保管パック

330,000円

5年保管パック

550,000円

10年保管パック

880,000円


当院のパックプランには、採卵や局所麻酔、薬剤、凍結、保管料等の基本的なものは全て含まれています。静脈麻酔を希望される場合は、別途55,000円がかかります。

卵子凍結に対する助成金制度を実施している自治体もある

卵子凍結は自由診療のため、基本的に費用はすべて自己負担です。ただし、自治体によっては助成金制度を設けているところもあります。

たとえば東京都では、将来的な妊娠を希望する女性を対象に「社会的適応による卵子凍結」に対して助成を行う制度を実施しています。助成の対象となるのは、東京都内に在住する18歳から39歳までの女性で、採卵・凍結・保管にかかる費用の一部が補助されます。詳しい条件や助成金額などについては、東京都の公式サイトを確認してください。

また、住んでいる自治体に助成金制度が設定されているかどうかも、事前に確認してみるとよいでしょう。

出典:東京都福祉保健局「社会的適応による卵子凍結に係る費用助成事業(概要)」
https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/shussan/ranshitouketsu/touketsu/gaiyou

卵子凍結を行う3つのメリット

卵子凍結を行うメリットを3つ紹介します。

  • 卵子の質を維持できる

  • 妊娠のタイミングを柔軟に決められる

  • 精神的な安心につながる

それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。

卵子の質を維持できる

卵子は年齢とともに数だけでなく質も低下します。若いうちに卵子凍結を行うことで、良好な状態の卵子を保存することが可能です。将来的に妊娠を希望した際に、年齢が若いときに保存しておいた卵子を使用することで、卵子の質低下に伴う妊娠率の低下や、染色体異常などのリスクを抑えられる可能性があります。

妊娠のタイミングを柔軟に決められる

卵子の質の低下を心配せずに済むため、妊娠のタイミングを自分のライフプランに合わせて選べます。キャリアプランや結婚、出産のタイミングを考慮しながら、将来に備えた選択の幅が広がる点が大きな特徴です。

精神的な安心につながる

卵子を凍結しておくことで、将来の妊娠に備えられる安心感を得られます。「いつか妊娠したいけれど、年齢が心配」という不安を軽減できることは、人によっては大きなメリットになるでしょう。

卵子凍結を行う3つのデメリット

卵子凍結のメリットだけでなく、デメリットについても知っておくことが大切です。主なデメリットを3つ紹介します。

  • 身体的な負担がある

  • 経済的な負担が大きい

  • 凍結により卵子の質が低下する

それぞれのデメリットについて、詳しく解説します。

身体的な負担がある

卵子凍結では、採卵に向けて排卵誘発剤を使用して卵巣を刺激し、複数の卵子を育てます。卵子を育てて採卵するまでの過程で、採血や自己注射、採卵など、身体に負担のかかる処置が必要です。採卵時は卵巣に針を刺すため、出血や感染などのリスクもゼロではありません。また、稀なケースではありますが、排卵誘発剤の影響で卵巣が腫れる「卵巣過剰刺激症候群(OHSS)」を発症するリスクもあります。

経済的な負担が大きい

卵子凍結は自由診療(保険適用外)のため、費用はすべて自己負担です。採卵した卵子は凍結して、使用するまで保管しておくことになります。採卵時だけではなく保管に対しても継続的な費用がかかるため、経済的な負担は大きくなりやすいのが特徴です。

ただし、自治体によっては、卵子凍結に対する助成金制度を設けている場合もあります。経済的な負担を軽減するために、住んでいる自治体の制度を事前に確認しておくと安心です。

凍結により卵子の質が低下する

卵子凍結は、加齢により卵子の質が低下するリスクを避けるための方法です。しかし、卵子を凍結して再び融解する過程でも、卵子には一定のダメージが加わります。同じ年齢で凍結した卵子を使用する場合と、凍結せずに体外受精を行う場合を比べると、凍結卵子を用いた場合の妊娠率はやや低くなる傾向があります。

卵子凍結の一般的な流れ

卵子凍結の一般的な流れを紹介します。卵子凍結を実際に行う前に、全体の流れを知っておきましょう。

採血・ホルモン検査

卵子凍結が可能かどうかを判断するために、血液検査や超音波検査などを行います。ホルモン値や感染症の有無、卵巣の状態、卵胞の数を確認し、採卵の時期を検討します。

卵巣刺激

排卵誘発剤を使用して、卵巣の中で複数の卵胞を育てるステップです。定期的に通院しながら、超音波検査やホルモン検査で卵胞の成長を確認し、採卵のタイミングを見極めます。

採卵

採卵は膣から針を刺して行うため、局所麻酔が必要です。採卵後は成熟している卵子を選択し、凍結に適した卵子を決定します。

凍結保存

採取した卵子の凍結方法は「急速ガラス化法」と呼ばれるものです。卵子を急速に凍結することで氷の結晶ができるのを防ぎ、卵子へのダメージを最小限に抑える方法です。凍結した卵子は、液体窒素タンク内でマイナス196℃の環境下に保管されます。

体外受精

妊娠を希望するタイミングになったら、凍結した卵子を融解して使用します。体外受精による妊娠を試みることになり、顕微授精(ICSI)で受精させます。

卵子凍結に関するよくある質問

卵子凍結に関してのよくある質問です。

Q1:卵子凍結は痛みがありますか?

卵子凍結の過程では、排卵誘発剤の注射や採卵の際に痛みを感じることがあります。排卵誘発剤は数日間にわたって自己注射を行う場合があり、注射部位に軽い痛みや内出血が出ることがあります。

採卵時は、膣から細い針を刺して卵子を採取しますが、局所麻酔や静脈麻酔を使用して痛みを緩和することが可能です。採卵後は軽い腹部の張りや出血を伴うこともありますが、数日で落ち着くのが一般的です。

Q2:ピルを飲んでいても卵子凍結はできますか?

卵子凍結を行う際は、ピルを一時的に中止する必要があります。ピルには排卵を抑える作用があり、服用中は卵巣の本来の働きや卵胞の状態を正確に評価できないためです。当院では、卵子凍結を行う前にピルを休薬し、生理が再開したら治療を開始します。治療が完了したら、ピルの再開が可能です。ピルの服用状況や中止のタイミングについては、事前に医師とご相談ください。

Q3:卵子凍結による妊娠の成功率はどれくらいですか?

卵子凍結による妊娠の成功率は、凍結したときの年齢や卵子の質、凍結・融解の技術、体外受精を行う際の母体の年齢など、さまざまな要因によって異なります。一般的には、若い年齢で凍結した卵子ほど妊娠の可能性が高いといわれています。できるだけ若いうちに卵子凍結を行い、経験豊富な医療機関で治療を受けることが重要です。

ただし、卵子凍結をしたからといって、将来的に必ず妊娠できるわけではありません。一方で、凍結した卵子を使用せずに自然妊娠に至るケースもあります。卵子凍結は「将来の選択肢を広げる手段」として、保険のように考えるとよいでしょう。

卵子凍結を検討中の方は両角レディースクリニックにご相談ください

当院では「卵子凍結をするか迷っている」「自分の場合に必要か知りたい」といった段階の相談も承っております。年齢や体の状態、ライフプランなどをふまえて、最適な方法を一緒に考えていきましょう。不安や疑問を少しでも解消できるよう、丁寧にサポートいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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