海外在住の方の一時帰国での不妊治療|スケジュールと事前に必要な準備とは?
数年前から、「一時帰国をして日本で不妊治療(体外受精など)を受けたい」というご相談をいただく機会がとても増えています。
私自身、32歳の時にハワイに2年半ほど住んでいた経験があります。そのため、海外で医療を受けることの言葉の壁や心理的なストレス、大変さは身をもって実感しており、日本で治療を受けたいとお考えになる皆様のお気持ちは本当によく分かります。
今回は、なぜ多くの方が日本への一時帰国で治療を受けられているのか、その理由や、お仕事などで忙しいご主人の滞在期間を最短にするための具体的なスケジュール、事前準備について分かりやすく解説します。
一時帰国での不妊治療が選ばれる7つの理由
海外に住みながら日本のクリニックでの治療を希望される背景には、主に以下のような理由があります。
- 日本の公的医療保険制度が利用できる(条件を満たす場合)
- 近年の円安による費用の優位性
- 日本の生殖医療における高い技術力
- 母国語(日本語)で安心して治療やカウンセリングが受けられる
- 体質・体格・倫理観が日本人同士のため合っている
- 実家への帰省や、日本での用事・手続きを同時に済ませられる
- 不妊治療で非常に重要な心理的ケア(カウンセリングやメンタルへの配慮)が行き届いている
海外での治療では、細かなニュアンスが伝わりづらかったり、文化や倫理観の違いに戸惑ったりすることも少なくありません。メンタル面のサポートを含め、ストレスの少ない環境で治療に臨めることが大きなメリットとなっています。
ご主人の滞在期間をできるだけ短くするスケジュール
「仕事の都合上、夫は長期間日本に滞在できない」というご相談も非常に多くいただきます。ご主人の滞在期間を短縮するためには、採卵の約3日前までに日本へ到着するスケジュールが理想的です。
具体的な航空券手配の目安
生理開始日を基準に設定する
採卵は通常、生理開始から14日前後で行われます。そのため、生理が始まったら、その約10日後の航空券を手配するとスムーズです。
直前に来日される場合の注意点(必須検査)
採卵直前にご主人が来日して採精される場合、スムーズに治療を進めるための大切な注意点があります。それは、事前に現地で感染症検査を受けておくことです。
具体的には、以下の4項目の検査を事前にお済ませの上、ご来院いただく必要があります。
- HIV
- HCV(C型肝炎)
- HBV(B型肝炎)
- 梅毒
これらをあらかじめ検査しておくことで、限られた滞在期間でも滞りなく採卵・受精のステップへ進むことができます。
帰国後のサポート:現地の産科主治医(クリニック)の確保
治療を進めるうえでもう一つ重要なのが、お住まいの地域で妊娠経過を診てくれる産科の主治医をあらかじめ決めておくことです。可能であれば、現地でも体外受精を行っているような不妊治療専門施設・婦人科が望ましいでしょう。
日本で妊娠が確認できた後、スムーズに現地での管理へ移行できるよう、事前に「帰国後に妊娠経過を診てほしい」旨を現地の医師へ伝え、しっかりと引き継ぎの承諾を得ておくことをおすすめいたします。
まとめ:ストレスのない治療のために
海外からの治療は、スケジュール調整や時差、渡航の手配など、国内での治療以上に準備や配慮が必要となります。
当院では、海外在住の方々が安心して治療に集中できるよう、短い滞在期間を有効活用した治療計画のご提案や、メンタル面での丁寧なサポートを心がけております。一時帰国での不妊治療をご検討されている方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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