LINEで初診予約
院長コラム

妊娠しやすい食事はある?妊活中の食生活と妊娠率・流産率の関係を夫婦2,370組の研究から解説

妊娠しやすい食事はある?妊活中の食生活と妊娠率・流産率の関係を夫婦2,370組の研究から解説
INDEX 目次

妊娠を希望する方の中には、「妊娠しやすくなる食事はあるのか」「妊活中はどのような食品を食べればよいのか」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

地中海食や妊娠に良いとされる特別な食事が注目されていますが、実際に妊娠率や出生率、流産率に影響するのでしょうか。

今回、医学誌「Fertility and Sterility」に、不妊治療を予定している夫婦2,370組を対象に、妊娠前の食生活と妊娠・出産との関係を調べた前向き研究が掲載されました。女性だけでなく男性の食生活も調べている点が特徴です。

妊娠しやすい食事とは?4種類の食事パターンを比較

今回の研究では、一般的に健康に良いとされる食事として、米国の食事指針に基づくHealthy Eating Index(健康的な食生活の指標)と地中海食を評価しました。

さらに、妊娠を目的として考案されたFertility DietとPro-fertility Dietも比較しています。

対象となった2,370組のうち、1,054組が妊娠し、287組が妊娠喪失を経験し、821組が出産に至りました。

Table 1 4種類の食事パターンの違い

Table 1では、それぞれの食事で重視される食品が比較されています。

一般的な健康食では、野菜、果物、豆類、魚、全粒穀物、不飽和脂肪酸などを重視し、精製された穀物や飽和脂肪酸などを控えることが特徴です。

一方、妊娠を目的とした食事では、特定の乳製品、鉄、葉酸、ビタミン類、大豆製品などが重視されています。

つまり、妊娠のために特定の食品を積極的に摂取する方法と、普段の食生活全体の質を改善する方法を比較した研究です。

健康的な食生活は妊娠率・出生率に影響する?

Figure 1 食生活と出生率の関係

Figure 1では、一般的な健康食を実践している女性、男性、夫婦では、出生率がわずかに高い傾向が示されています。

女性のHealthy Eating Indexが標準偏差1つ分高くなると、出生の調整後リスク比は1.06、地中海食では1.05でした。男性や夫婦の食生活でも同様の傾向が認められました。

一方、妊娠を目的とした特別な食事では、女性のFertility Dietで弱い関連が認められたものの、Pro-fertility Dietでは出生率との関連は認められませんでした。

なお、これらの関連は小さく、多くの95%信頼区間は1を含んでいました。

この結果は、健康的な食生活と出生率にわずかな関連がある可能性を示していますが、食事を変えるだけで妊娠率や出生率が上がると断定できるものではありません。

妊活中の食事で流産率は変わる?

Figure 2 食生活と流産率の関係

Figure 2では、妊娠した1,054組について、食生活と妊娠喪失の関係を検討しています。

その結果、一般的な健康食でも妊娠を目的とした特別な食事でも、流産率との明確な関連は認められませんでした。

つまり、健康的な食生活によって流産を予防できるという結果ではありませんでした。

妊活中や妊娠前の食事は健康維持のために大切ですが、特定の食品や食事法によって流産リスクを下げられると考えるには、十分な科学的根拠が得られていないことが分かります。

食生活以外にも妊娠・出産に影響する要因がある

Table 2 食生活と患者背景の関係

Table 2では、健康的な食生活をしている人ほどBMIが低く、身体活動が多く、喫煙率が低い傾向が示されています。

また、教育歴や世帯収入にも違いがありました。

このことは、食生活だけが出生率に影響しているとは限らないことを意味します。

研究ではこれらの要因を統計学的に調整していますが、観察研究であるため、食事そのものが出生率を改善したと断定することはできません。

体外受精では食生活と出生率の明確な関連は認められなかった

今回、特に重要なのは、体外受精を受けた夫婦に限定すると、健康的な食生活と出生率との明確な関連が認められなかったことです。

一方、排卵誘発や人工授精を受けた夫婦、治療を受けなかった夫婦では、健康的な食生活と出生率に関連がみられました。

ただし、治療方法によって食事の効果が異なると結論づけるには、さらに研究が必要です。

体外受精などの不妊治療を受けている方にとっても、健康的な食生活を心がけることは大切ですが、食事の改善だけで治療成績が向上するとは限りません。

まとめ 妊娠を目指すなら特別な食事よりバランスの良い食生活を

今回の研究から、妊娠のために特別な食事法を実践する必要があるという根拠は得られませんでした。

むしろ、野菜、果物、魚、豆類、全粒穀物などを取り入れた一般的に健康的な食生活が、出生率とわずかに関連していました。

大切なのは、妊娠しやすくなるとされる特定の食品やサプリメントにこだわることではなく、夫婦で無理なくバランスの良い食生活を続けることだと思います。

ただし、食事を改善すれば必ず妊娠率が上がるわけではありません。妊娠を希望している場合には、食生活の改善に取り組みながら、必要な不妊治療を遅らせないことも重要です。

参考文献

Kyle R. Busse, Bhaavna Peri, Derartu Ahmed, Enrique F. Schisterman, et al. Preconception dietary patterns in association with live birth and pregnancy loss: a couples-based approach. Fertility and Sterility. 2026;126(4):659–668. October 2026.DOI https://doi.org/10.1016/j.fertnstert.2026.06.028

背景画像 背景画像
当日予約もお取りできる
可能性がございます。
03-5159-1101
 当日枠 月~金 14:00/土曜 12:00/祝日 10:00
お電話受付終了時間 月~金 18:30/土曜 17:30/祝日 13:30