〇〇はNG!?胚移植後はどう過ごすべき? 日常生活で気を付けたいポイント
体外受精において、胚移植を終えたあとに「生活で気を付けることはありますか?」という質問をよく受けます。
安静にすべきなのか、運動してもいいのか、自転車に乗れるのか——不安に感じる方は少なくありません。
結論からいえば、基本的には自然妊娠と同じように、普段どおりの生活で問題ありません。
極端に何かを避ける必要はなく、むしろ普段のペースを大切に過ごす方がストレスも減り、体にも良いと考えられています。
ただし、いくつか“避けたほうが良いこと”はあります。ここでは、よくいただく質問に沿って丁寧に解説していきます。
① 移植後はどれくらい安静にすべき?
移植後に寝たままのほうが良いのではないか、と心配される方もいます。
しかし研究では、すぐに起き上がった場合と、1日中ベッドにいた場合で妊娠率に差はないと示されています。
そのため、15分ほど横になれば十分で、長時間の安静は必要ありません。
② 性交渉はしてもいい?
移植後は3日ほど控えるのが安心です。
その後は特に制限はありません。
なお、移植「前」の性交渉は排卵を促したり、免疫的に好ましい影響があるといわれています。
③ 長時間の車・新幹線・飛行機は?
基本的に問題ありません。
ただ、身体的・精神的に負担となる“過度に長い移動”は避けたほうが良いでしょう。
④ 旅行や温泉は?
旅行も温泉も問題ありません。
ただし以下に注意が必要です。
長時間の入浴は避ける
不衛生な温泉は感染リスクがあるため控える
⑤ 運動はしていい?
移植当日:激しい運動は避ける
翌日以降:軽い運動はむしろ推奨
血流改善やリラックス効果も期待できます。ただし、転倒のおそれがある激しいスポーツは控えましょう。
⑥ 自転車は大丈夫?
通常の自転車は問題ありません。
ただし雨や雪で滑りやすい日は転倒リスクがあるため避けましょう。
⑦ 重いものを持っても平気?
普段持ち慣れている程度のものであれば問題ありません。
重すぎる物だけ避ければ大丈夫です。
「子どもを抱っこしても大丈夫ですか?」という質問をよくいただきますが、抱っこは問題ありません。
⑧ 禁止すべきことは?
以下は明確に避けましょう。
アルコール
喫煙(受動喫煙も含む)
レントゲン(CT・胃の透視など)
徹夜や過度な労働
強いストレス環境
カフェイン(コーヒー・紅茶・緑茶)は完全禁止ではありませんが、量を控えることをおすすめします。
レントゲンについては健診などで「妊娠の可能性がある」ことを事前に伝えれば、適切に対応してもらえます。
⑨ インフルエンザワクチンは打っていい?
問題ありません。
不活化ワクチンのため、安全に接種できます。
⑩ 歯科治療は?
急ぐ必要がない場合は、判定日まで控えるのが良いでしょう。
痛みが強い場合などは医師に相談して判断します。
⑪ 家事は?
多くの家事はそのまま行って問題ありません。
ただし、
高いところに登る
重心が不安定になる作業
長時間で疲労が強い家事
などは控えると安心です。
まとめ:普段どおり、ストレスをためずに
胚移植後の生活は、思ったより制限がありません。
自然妊娠と同じ感覚で、普段どおり過ごすことが基本です。
ただし、強い負担・転倒・過度なストレス・アルコール・喫煙など「明らかにリスクのある行動」だけ避ければ十分。
安心して日常生活を送りながら、心と体を整えることが、着床にも良い影響を与えると考えられます。
可能性がございます。
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