妊娠に向けてのからだづくり ~その3~
こんにちは。培養室です🐣
前回に引き続き、今回はプレコンセプションケアで主に行われている男性に対しての検査についてお伝えしようと思います✨
≪主な検査内容≫
女性の検査と同様に、施設により検査項目は変わりますが概ね以下の項目が挙げられます。
*身体測定
(BMI、体脂肪、血圧の測定)
女性と同様に、BMI(体格指数)が18.5以下の場合は“やせ“と判定され、BMIが25以上の場合は”肥満”と判定されます。
男性の場合、肥満は精子の濃度や総精子数の低下、精子のDNA損傷の増加と関連しているといわれており、内臓脂肪の蓄積から陰嚢内の温度が上昇し精子が死滅してしまうことが考えられます。
*一般精液検査
(精液量、精子濃度、精子運動率、総精子数など)
精液検査は、男性の生殖能力に問題がないか、精子の数や運動能力などを調べる検査です。男性不妊症で最も重要な検査であり、精巣や前立腺の機能評価にも使われます。基準値よりも低い場合は、自然妊娠が難しいことがわかっています。
2~7日間ほど禁欲(射精をしない)後、手洗いを行ってから滅菌された採精容器にマスターベーションによって採取していただきます。
自然妊娠が期待できる下限基準値(WHO)
| 精液量(ml) | 1.4 |
| 精子濃度(×10⁶ml) | 16.0 |
| 精子運動率(%) | 42.0 |
| 総精子量(×10⁶/精液中) | 39.0 |
*高度精液検査
“精子の質”を詳しく調べる検査になります。
- 精子DNA断片化指数検査(DFI検査)
精子DNAが損傷(=断片化)している割合、精子核が未熟な精子の割合を調べる検査です。
DFIが高い場合、自然妊娠率の低下やARTにおける妊娠率の低下、さらに流産のリスクなどが高くなることが報告されています。
また、不妊に関わらず加齢に伴いDFIが増加することが知られています。
- 精子抗酸化力検査(TAC検査)
精液中の抗酸化力(=酸化ストレスに対する抵抗力)を調べる検査です。
抗酸化力とは、活性酸素によるダメージから細胞を守る力のことをいい、値が高いほど抗酸化力が高い(=酸化ストレスに対抗できている)ことを意味します。
不妊男性や精索静脈瘤を認める男性では、精液の抗酸化力が低いといわれています。
- 酸化還元電位測定検査(ORP検査)
精液中の酸化と抗酸化のバランスを総合的に調べる検査です。
値が低いほど、酸化状態ではない(=酸化ストレスが低い)ということを示し、酸化力や抗酸化力のみを評価する検査と比べ、より高い精度で精液中の酸化ストレスの程度を知ることができます
精子は構造上、酸化ストレスを受けやすく抗酸化機能も低いため、酸化ストレスに対してとても弱い細胞であることが知られています。生活習慣の乱れや環境要因、加齢などにより精子へ強い酸化ストレスがかかった場合、精子は大きな損傷を受けてしまいます。
結果として、ARTにおける受精率や妊娠率の低下、さらに流産率の上昇につながることが報告されています。
*血液・尿検査
(栄養状態の確認、甲状腺機能、肝臓や腎臓の機能検査など)
男性が積極的に摂りたい栄養として亜鉛やビタミンD、葉酸、抗酸化物質などが挙げられます。これらの栄養素は精子形成や運動率を向上させたる効果があるといわれており、抗酸化物質は精子の酸化ストレスを軽減させるといわれています。
体のどこかに異常がある場合、それが原因となり精子濃度や精子の数が減少するといわれています。
尿を検査することで、腎臓、膀胱、前立腺に異常があるかを調べることができます。
尿道は、尿の通過路であり精子の輸送路でもあります。
そのため、尿道、前立腺等に炎症がみられた場合、精液中に白血球が多く観察されることがあり、精子の動きに悪影響を与える可能性もあります。
*感染症検査
(風疹・麻疹・水痘・ムンプス、クラミジア感染症、ヒトパピローマウイルス、梅毒、淋病、B/C型肝炎、HIVなど)
これらのウイルスが直接精巣に感染した場合、
精子形成が阻害されたり、精液所見に悪影響があるといわれています。
また、ウイルスの女性への感染は、男性により起こることがあります。自覚症状がないものもありますので、ご自分が感染に気づかないうちにパートナーを感染させてしまい、それが不妊の原因となってしまうことがあります。
これらの感染症の中には、ワクチンを接種することで予防できるものも含まれるため、ご自身の家族である大切なパートナーや生まれてくる赤ちゃんを守るためにも、積極的に摂取を行っていただきたいものになります。
*男性ホルモン検査
(テストステロン、LH、FSH、プロラクチン)
テストステロンは精巣で分泌されるホルモンで、FSHとLHは、脳下垂体から分泌されるホルモンです。FSHは、精巣を刺激して精巣で精子形成を促すはたらきがあり、LHは男性ホルモンの分泌を促進する作用があります。
プロラクチンは乳汁分泌ホルモンと呼ばれ、高値の場合にはEDや不妊症の原因となります。
これらのホルモン値を調べることにより、精子形成に関係する機能の状態を知ることができます。
男性不妊は不妊原因の約半数を占めているといわれており、ありふれた疾患であるといえます。これらの検査項目で異常が見つかった場合、医師より男性不妊外来などを受診し専門的治療を受けていただくことをおすすめされるかと思います。
女性だけでなく男性側も検査を受けることにより、パートナーの方への妊活に伴う心的負担や検査・治療への負担、また時間や金銭的な負担も回避できる可能性があります。
男性の検査の方が女性と比べ、ずっと負担が小さく簡単に結果がわかりますので、近年は”まずは男性から”というカップルも増えてきています。
その他にも、例えばパートナーと共に食生活や生活習慣の改善を心がけるなど、男性は自身の健康の向上だけでなく、様々に女性をサポートすることができます。
妊活を機に、大切な家族であるパートナーや生まれてくる赤ちゃんのために、一度ご自身の生活や健康を見直してみてはいかがでしょうか😌
この記事を書いた人
培養士さん
可能性がございます。
お電話受付終了時間 月~金 18:30/土曜 17:30/祝日 13:30