当院の培養業務について②
こんにちは、培養室です☔
気温の上下が続き、なかなか過ごしづらい日々が続きますね。
梅雨の湿気が辛いところですが、明けを楽しみに過ごしていきましょう☀
今回は 培養庫内のガス設定 について紹介していきます。
ここで登場するガスとは主に気体の状態の窒素や酸素、二酸化炭素を指します。
胚や配偶子などの検体は培養庫内で保管する際に、培養液の中に入っています。その培養液のpHを生体内の環境近づけるために、培養庫内の二酸化炭素濃度を調整します。
二酸化炭素濃度を調整することで、pHを一定レベルに維持できる培養液を重炭酸系培養液といいます。この培養液内に含まれる炭酸水素ナトリウム(NaHCO₃)を利用してpHは調整されます。
炭酸水素ナトリウムは培養液中ではイオンになって存在します。以下2種類のイオンがpH調整に使われます。
・ H⁺ : 水素イオン
・ HCO₃⁻ : 炭酸水素イオン
これらのイオンは化合した状態と分解した状態を繰り返し、それぞれバランスを保った状態で存在します。

上の図がそれぞれバランスを保った状態です。
培養液に溶けたCO₂(二酸化炭素)が培養液中のH₂0(水)と反応し、H₂CO₃(炭酸水素)になったり、H₂CO₃が分解してCO₂とH₂0の状態になったりします。(A)
また、H₂CO₃は分解してH⁺(水素イオン)とHCO₃⁻(炭酸水素イオン)の状態になったりします。(B)
図のように3つの状態がバランスを保ち存在している状態を「平衡」といいます。
以下から、培養庫内空気中の二酸化炭素が更に溶け込んできた際のpH変化の様子を示します。

培養庫内空気中のCO₂が培養液中に溶け込みます。

培養液中のCO₂が増え、3つの状態のバランスが崩れます。

バランスを元に戻そうとして、CO₂とH₂0の反応(A)が促進されH₂CO₃の量が増えます。

H₂CO₃が増えすぎないように反応(B)が進みH⁺(水素イオン)とHCO₃⁻(炭酸水素イオン)の量が増えます。
この水素イオンの量がpHの値を左右します。
二酸化炭素が増えると、水素イオンも増えpHが下がり、二酸化炭素が減ると上記と逆の反応が進み水素イオンが減ることでpHが上がります。

このように培養液中の二酸化炭素ガス濃度が培養液にとって重要になってきます。
少し難しい話でしたが最後までご覧いただきありがとうございました🌸
培養室の業務について少しでも知っていただけたら幸いです。
以上、培養室でした🐣
この記事を書いた人
培養士さん
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