40歳からの不妊治療|なぜ当院は「凍結胚移植支援パック」を始めるのか?保険適用の回数制限に挑む当院の戦略
40歳を過ぎてから不妊治療(体外受精・顕微授精)を開始された方にとって、現在の不妊治療の保険制度には大きな壁が存在します。それは「胚移植の回数制限」です。
現在の保険制度では、39歳までに治療を開始した場合は子ども1人につき通算6回まで移植が認められていますが、40歳以上43歳未満で治療を開始した場合は、保険適用での移植回数は「3回まで」と制限されています。
しかし、この「3回」という制限は、私たち医師が日々向き合っている実臨床の感覚とは大きく異なります。
40代前半の不妊治療において「回数を重ねること」が重要な理由
40代前半の不妊治療では、年齢とともに胚(受精卵)の染色体異常率が上昇するため、胚移植1回あたりの妊娠率は低下傾向になります。つまり、40歳からの不妊治療においては、「回数を重ねて確率を積み上げる」という戦略が極めて重要になる年代なのです。
ここで、当院の治療データをご紹介します。
当院における40〜42歳の胚盤胞移植データ
・1回あたりの妊娠率:約35%
・1回の移植で出産に至る確率(流産率を考慮):約28.7%
この確率をベースに、胚移植の回数を積み重ねた場合の「累積出産率」を計算すると、以下のような結果になります。
・3回移植した場合の累積出産率:約63%
・6回移植した場合の累積出産率:約87%
このデータが示す通り、40代前半の不妊治療においては「3回の移植では回数が足りない」というケースが決して少なくないのが現実です。
保険適用終了後、費用を理由に諦めてほしくない
私たちはこれまで、東京都内をはじめ多くの患者さんを診察する中で、「もう少し移植の回数を重ねることができれば、結果(妊娠・出産)に至った可能性が高い」という患者さんを数多く見てきました。
しかし現実には、保険適用の3回が終了した時点で、
「保険が終わってしまったので、これ以上は治療を続けられません」
「自費診療になると、移植1回につき25万円近くかかるので諦めます」
と、涙をのまれるケースが多々あります。
日本の保険制度に「39歳までに治療を開始してほしい」という少子化対策のメッセージがある目的は理解できます。しかし、医療の現場では「まだ妊娠できる可能性が十分にある方」が、制度(回数制限)だけを理由に治療を断念してしまっている現状があり、私はここに強い違和感と悔しさを感じてきました。
2026年6月スタート「凍結胚移植支援パック」に込めた想い
「妊娠できる可能性がある方を、制度だけを理由に途中で終わらせてはいけない」
その強い想いから、当院では2026年6月より、40〜42歳の方を対象とした「凍結胚移植支援パック」を開始することにいたしました。
制度の概要
保険診療での胚移植が3回終了した後も、4〜6回目の凍結胚移植を「1周期 6万円(税別)」で継続できる当院独自の支援制度です。
※このパック料金には、診察・採血・超音波検査など、移植周期に必要な基本診療がすべて含まれています。
これは国の保険を延長するというものではありません。当院が医療機関としての責任を持ち、自費診療(自由診療)の費用負担を抑えることで、患者さんが最後まで可能性を信じて治療をやり切れる環境を作りたいと考え、新設したパックです。
⇩「胚移植支援パック」について詳しくはこちら

40代の不妊治療で結果を出すための「戦略」とは
40歳を超えてからの不妊治療は、時間との勝負です。そしてその結果は、「最初にどこで、どのような戦略を立てて治療を行うか」に大きく左右されます。
ただ漫然と胚移植を繰り返すのではなく、以下のような網羅的な戦略が極めて重要になります。
1.凍結胚を最初にしっかり確保すること(貯卵戦略)
2.子宮・卵管・腹腔内(着床環境)を正しく評価・改善すること
3.結果が出ない場合は、必要に応じてアプローチや方法を柔軟に変えること
4.そして、回数を積み重ねて確率を最大化すること
私たちは、40代前半の不妊治療を「正しく戦略を立てれば、十分に結果を出せる治療」であると考えています。
患者さんが後悔なく、最後までやり切るために。医療側も責任を持って伴走し、全力で支える。それが、今回の「凍結胚移植支援パック」の本質です。40歳からの不妊治療でお悩みの方は、ぜひ一度当院へご相談ください。
可能性がございます。
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