胚移植周期に生理中のエコー検査は必要?採血だけではわからない異常と確認すべきポイント
体外受精や顕微授精による胚移植を予定している方から、「生理中にエコー検査を受けなくても移植周期に入って問題ないのでしょうか?」というご質問をいただくことがあります。
今回は、胚移植周期における生理中のエコー検査の重要性と、ホルモン検査だけでは判断できない子宮や卵巣の異常について解説します。
生理中のエコー検査を受けずに胚移植周期に入っても大丈夫?
「今月、胚移植を予定しています。生理中にエコー検査を受けていませんが、医師からは採血の結果に問題がないため大丈夫と言われました。エコー検査をしなくても移植周期に入って問題ないのでしょうか?」
このようなご質問をいただきました。
当院では、胚移植周期に入る前に、生理中のエコー検査とホルモン検査を行い、異常がないことを確認することが重要だと考えています。
ホルモン検査だけでも、ある程度の異常を判断することは可能です。しかし、採血の結果だけでは、子宮や卵巣に本当に異常がないかを確認することはできません。
エコー検査とホルモン検査の結果を組み合わせることで、胚移植周期に入ってよいかをより適切に判断することができます。
生理中のエコー検査では何を確認するのか?
① 子宮内膜の厚さや子宮内の異常
まず、子宮内膜が十分に薄くなっているかを確認します。
また、子宮内膜ポリープや粘膜下筋腫など、子宮内腔に異常がないかも確認します。
生理が来たと思っていても、実際には通常の月経ではない出血である場合もあります。
そのため、生理中のエコー検査で子宮内膜の状態を確認することは、胚移植の準備を進めるうえで重要です。
② 卵巣の腫れや卵胞の状態
次に、卵巣が腫れていないかを確認します。
移植周期の開始時点で卵巣の腫れを確認しておかないと、その後に卵胞が育ってきた際に、正常に発育している卵胞なのか、もともと存在していた卵巣の腫れなのかを見分けにくくなることがあります。
特に、フェマーラ(レトロゾール)を使用する周期では、エストラジオール(E2)が上昇しにくいため、ホルモン検査だけで卵胞の状態を判断することが難しくなる場合があります。
また、卵巣が腫れている状態で無理に移植周期を進めることは、妊娠率への影響や、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)などのリスクを考慮する必要があります。
そのため、移植周期の開始前に卵巣の状態を確認しておくことが大切です。
③ 卵管水腫の有無
生理中のエコー検査では、卵管水腫がないかも確認します。
卵管水腫とは、卵管の中に液体がたまって腫れている状態です。
卵管水腫がある場合、胚の着床や妊娠率に悪影響を及ぼすことが知られています。
そのため、卵管水腫が確認された場合には、胚移植を延期し、手術などの治療を検討することがあります。
これまで卵管水腫が確認されていなかった方でも、新たにエコー検査で確認される場合があります。
胚移植前に卵管の状態を確認することも、妊娠に向けた重要な準備の一つです。
胚移植は子宮・卵巣の状態を確認してから進めることが大切
胚移植は、できる限り良好な条件を整えたうえで行うことが大切です。
ホルモン検査の結果に問題がなくても、エコー検査で初めて確認できる異常があります。
そのため、当院では生理中のエコー検査とホルモン検査を組み合わせて、子宮内膜、卵巣、卵管の状態を確認したうえで移植周期に入ることを重視しています。
不安な所見がある場合には、無理に移植を進めず、適切な対応を検討することが重要です。
胚移植の成功に向けて、生理中のエコー検査は当院が大切にしている確認事項の一つです。
可能性がございます。
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